コロナ関連投稿集

コロナ関連投稿集

5月17日「緊急事態下を生きる神の民⑰~今、牧師たちがマジでヤバい」

 さっそく昨日の投稿に応答して、ある牧師から、連絡をいただきました。実行してみて、初めて体験的にわかることでしょうが、無会衆礼拝でのメッセージも、礼拝配信も、かなり心理的に追い詰められることなのです。

 多くの牧師は信徒が思っているほど、メンタルが強くありません。信徒からの否定的なメッセージには心理的ダメージを受けます。この牧師は、メールやSNSは、非言語的コミュニケーションであり、相手の表情が見えないことも、必要以上にダメージを受けてしまう要因だとお考えのようです。

  
 本来、所属団体は、現場で労する牧師を励まし支えるべきでしょうが、この危機の中、そこまでの余裕がないようです。また、こうした時は、同労者からの励ましが大きな力になりますが、逆にこの牧師のように理不尽な非難を受けることも。

 こうした状況が続きますと、「牧師はマジでヤバい」です。ストレスや心理的ダメージは、無自覚の中で、牧師の心身の健康を蝕むものです。「自覚症状がないから大丈夫」とはお考えになりませんように。

 どこかの時点で休暇やリフレッシュの機会がなければ、コロナ収束前に心身の病を患う可能性が増大します。まずは、牧師の皆様、少し立ち止まって自己点検を。既婚者であるなら、ご夫妻で相互点検をお勧めします。

 とりわけ、精神疾患を持つ牧師、患った経験のある牧師は、破たんや機能停止に陥る可能性が高いと危惧しています。信徒の皆さんに知っていただきたいことがあります。自らの心の病や過去の罹患歴を公表しない牧師も実は、多いのです。ですから、信徒の皆様におかれましては、くれぐれも牧師については、「信仰強さ=メンタルの強さ」とはお考えになりませんようにと願います。
  
 愛は相手本位であり、それ故に想像力を伴います。牧師を愛し、ご自分を牧師の立場に置いて、想像してみましょう。無会衆礼礼拝での説教者の葛藤や配信に際しての多大な労とストレスなど、当事者でなくては分からないことも、愛の想像によって、ある程度は見えてくるでしょう。

 それによって、牧師のためにさらに心を込めて祈り、励ましやねぎらいの言葉を伝えるようになればと願っています。
 
 「マジでヤバい」は決して誇張表現だとは思っていません。多くの牧師が同様の状況、心理状態にあるのは間違いないと考えています。紹介するこのメッセージを標準的な牧師を代表する声として受け止めていただけば、幸いです。

前置きが長くなりました。いただいたメッセージを以下に転載します。(年配ではない男性牧師です。個人や団体が特定されぬよう編集をしています)

  
 こんにちはお久しぶりです。いつも興味深く読んでおります。 緊急事態下⑯を読みました。 Facebook上に書くのは、はばかられたので、恐縮ながらこちらより送りました。 3月からこれまで礼拝配信をしてきました。その結果、想像をはるかに超える疲労感を感じ、自分でも驚いています。

 無会衆礼拝は、説教者や奉仕者をかなり追いつめる側面があることがわかりました。場合によっては、これら全てを、1人で行っている場合もあります。 作業的な疲労とともに、配信の技術的スキルに対する批判(音質が悪い、画像が汚い等)もあれば、内容面に対する批判(格好の伝道機会なのに、説教に情熱が感じられず、掘り下げも足りない等)もあります。

 また、ネット機器を持たない方には郵送作業が発生するなど、通常の業務よりはるかに負担増となっています。 コンスタントに配信を継続している方々も、危機感を覚えている方は、きっと多いだろうと察します。

 これらに加え、所属団体内からも(うちの信徒がお宅の動画を見ている、羊泥棒だというような)批判も受けることもお伝えしておきます。 大きな試練ですが、教会、団体、伝道、礼拝など全ての側面を見直すチャンスであろうかと感じています。

 いつも、聖なる塩味の効いた文章に感謝します。 先生のミニストリーの祝福を祈っております。