水谷潔の新しき地に踏み出だす : 「それって試練なの？①～二つの代表事例」

信仰生活

「それって試練なの？①～二つの代表事例」

　教会学校の先生が生徒たちに語ります。「神様を信じていても、苦しいことってあるよね。でも、それは、神様の意地悪でなくて、試練なんだよ。神様は私たちを愛していて、もっと祝福しようと願っておられるんだよ。信仰を訓練するために、あえて、苦しみを与えるんだよ。だから、辛いことがあっても、神様の深い愛だと受け止めようね」

　それを聞いていた子どもの一人が、後で先生に言います。「そんな神様なら、信じたくない」。

　先生は知りませんでした。その子が親から虐待を受けていることを。

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　DV被害を受けているクリスチャンの妻が、牧師に相談します。牧師は語ります。「試練だと思って受け止めましょう。ご主人を愛し、変えられるように祈れば、いつか必ず変わります。このことさえも、益に変えてくださるというみ言葉の約束ですから、忍耐して祈っていきましょう」

　これは、DV被害者に対しての間違った導きだと私は考えています。ほとんどの場合、事態は好転しないばかりか、放置され、悪化することも危惧されます。

　この二つの事例は起こりがちなことでしょう。特に一昔の教会では、珍しくない事例であったかもしれません。

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「神様を信じる中で＝試練」

との単純な理解は聖書的でしょうか？

もし、「苦しみ＝試練」なら

→愛故の信仰訓練として受け止めるべき

→だから、逃げてはいけない

→環境を変えずに信仰によって克服すべき

→専門家に相談するなど具体的対処をすべきでない

→悲惨状態は信仰の名目によって放置

となるでしょう。

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　虐待、DV、いじめ、パワハラ、被差別

これらは、聖書的な意味で試練なのでしょうか？

神様からの愛ゆえの信仰訓練として

受け止めるべきなのでしょうか？、

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「それって試練なの？」と題したこのシリーズでは、

そんなことを共に考えてみます。