牧師、牧師夫人、牧師交代

牧師、牧師夫人、牧師交代

「牧師交代、城南電機か?ジャパネットか?③」

〈新社長の成功要因〉
 これは、林修先生の「初耳学」で知ったのですが、ジャパネットたかたの創業者の高田社長はお元気なうちに、大学卒業後、別企業で働いていた息子さんを自社に呼び戻します。
 やがて、息子さんは次期社長に就任。名物社長が引退し、商品アピール力が大きく後退した中で、新社長は、新しい経営方針を打ち出します。扱う商品の数を極端なまでに減らし、責任もって勧められるものに絞り込みます。そして、通常はアウトソーシングする電話苦情対応などのアフターケア部門を自社で持つことに。
 テレビショッピングは、衝動買いとなりやすい傾向があるが故に、買ったお客さんに後悔させないことを大切にした判断。これは目前の利益より、将来にわたる信頼を優先した判断と言えるでしょう。これにより、新社長就任後は売り上げを伸ばし、安定して高い業績を上げているとのこと。
〈象徴的な事例〉
 番組の中では、この成功を予期せるような象徴的なケースが紹介されていました。ある企画について、当時社長であった父親と専務の息子さんが対立したそうです。どうにもまとまらないので、最後は役員たちの多数決で決めることとなり、息子さんの意見が採用されることに。
 不本意であったであろうに父親は、その企画の商品をテレビCMで、いつもにも増して、熱烈にアピールしたそうです。その商品は、記録的な大ヒットとなります。正しい判断をした次期社長も、その判断を信頼して全力を投じた現社長もご立派!
〈この原則を教会にあてはめると?〉
会社のために前任者と対立する提案ができること
役員が正しいと思う方を支持できる社内文化
不本意であっても従い、全力を尽くす前任社長
これらを教会に当てはめればこうなるでしょうか?
前任者の意向と対立する提案ができること
役員が正しいと思う方を支持できる教会文化
不本意でも従い全力を尽くすベテラン役員
〈脱皮の可否が生死を決める?〉
 「脱皮できないヘビは死ぬ」と言いますが、この三つができる教会は死なずに生き延びるでしょう。いいえ、より豊かないのちへの歩みが期待できます。
後任者が前任者の意向と異なる提案ができない
役員が前任者の意向を最優先する教会文化
不本意な決定には妨害するベテラン役員
 こういう教会の体質が、脱皮できないヘビ状態を招くことは言うまでもありません。こうなれば、牧師交代と信徒の世代交代の過程で、いのちを失っていくのは必然。
〈まとめ〉
 たとえて言うなら、「城南教会の宮路牧師」もいれば、「ジャパネット教会の高田牧師」もいることでしょう。きっと多くの牧師はその二つの間に位置するのだと思います。ご自身の集う教会をどちらかの家電販売社に重ね合わせた読者もいらっしゃるでしょう。
 3回にわたるシリーズにお付き合いいただき、ありがとうございました。拙い発信が読者の皆様のお役に立てば感謝なことです。