教会形成、教会教育

教会形成、教会教育

「ベテラン牧師の証し~尊敬の念と痛い問いかけ(上)」

 高齢となるベテラン牧師からお聞きした話。以前赴任した教会には、心の病と軽い知的障害持つ青年男子の教会員がいました。彼は、たびたび直接牧師に訴えます。「先生の説教は、長くて、つまらないし、わからない、何とかして欲しい」。さらには、ゲストで若い牧師が来ると「先生の説教はよくわかる。先生がこの教会の牧師になって欲しい、今の牧師はやめてもらいたい」と言っていたのだとか。
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 この牧師は因習の深い地方で、伝道と教会形成で大きな実を結んだ方です。悪い説教者とは思えません。しかし、驚くべきことに、この牧師は、彼のことを「障害をお持ちだから」と軽く受け止めることはありませんでした。何と!「他の信徒たちが言えない本音を彼は言ってくれている」と受け止めたのです。
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 そして、聖書以外の一般的な話題も取り入れ、分かりやすいよう努力し、説教時間も短縮しました。やがて、その青年は、同じ弱さを持つ未信者たちを、次々と礼拝に連れてきたそうです。そして、そこから、何名もの方が、信仰を持ち、洗礼を受けられたとのこと。何と素晴らしい主の業でしょう!
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 私はこのお証しを聞いて、主の御名を崇め、その牧師に敬意を抱きながらも、自らも含めて、教会が問われるとの思いを持ちました。明日は「下」として、そのことを記します。