高齢者のために

「高齢キリスト者のための十戒④~八戒から十戒」

〈第8戒〉
 あなたは妬みによって、下の世代の賜物を殺し、教会の将来を損なってはならない。あなたは、ダビデを妬んで抹殺を願ったサウロのようであってはならない。それは、下の世代の目には、最も醜く映るものである。
 むしろ、あなたの経験をもって、その賜物が活かされて、実を結ぶよう助けなさい。未熟だからと言ってダメ出しをしてはならない。あなたも多くの忍耐をしてもらってきたからである。
 何よりあなた自身が下の世代に模範を示しなさい。年長者の権威は、他者を支配するためではなく、他者に仕えるため、また、模範を示すため与えられているからである。模範を示し、仕える意識なしに、自らへの敬意を期待してはならない。
 
〈第9戒〉
 あなたは「老害」と指摘されても、激怒してはならない。また「老害」と批判されても、泣き叫んではならない。それが、客観的事実である可能性が否めないからである。
 失礼な発言者を責める前に、それを言わざるを得ない発言者の事情や心情を、愛をもって想像しなければならない。場合によっては、愛と義しさゆえの指摘として感謝しなければならない。
 そして、あなたは、自らを私の前に省みなければならない。もし、あなたが私の前で自己客観視することを拒否するなら、それこそが、老害の根幹にあるものだと心得なさい。
 私が人生の最終ステージにあっても、あなたのために備えている悔い改めの希望と回復の希望を、自らの肉性によって閉ざしてはならない。
 
〈第10戒〉
 あなたは、長い信仰生活の中で、失ったものを回復しなくてはならない。忘れてしまったものを思い出さなくてはならない。いつの間にか外れているなら、原点に立ち返り、歩み直さなくてはならない。
 初めの愛を失っているなら、立ち返りなさい。救いの喜びを忘れているなら、思い出し、喜びに満たされなさい。愛の関係を失っているなら、その人に謝罪をするか、和解をするなどして、関係を回復しなさい。
 あなたは、それらを残された地上生涯の最後の使命として受け止め、実行に移さなくてはならない。それは、あなたの晩年を、最も美しく実り豊かなものとするためである。あなたを通して、私の栄光を最後まであらわすためである。