水谷潔の新しき地に踏み出だす : 「おはようを言わない牧師たち③」

説教と説教者

「おはようを言わない牧師たち③」

このシリーズ、予想外に反響が大きいようだ

コメント数が多く内容も多様で考えさせられる

そのためコメントには塩対応となり恐縮

最終回だが、少し趣旨の確認を感じている。

テーマは、主日礼拝説教冒頭の「おはよう」

礼拝中、礼拝前後の「おはよう」ではない

また「おはよう」以外の説教冒頭の言葉でもない

主旨は「おはよう」の是非の神学議論でもない

礼拝説教冒頭に「おはよう」は言うべきでない

そう指導する神学校の説教学教師はいらっしゃる

シリーズの主旨は、その前提での神学的問いかけ

正解を出すことより、思索の深まりを願っている

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というわけで、最終回の始まり、始まり

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では、礼拝説教の冒頭に発する言葉は？

いきなり本題や聖書朗読でないとしたら

「おはよう」に代わるのは「主を賛美します」

「礼拝をささげられ感謝」「ハレルヤ」など

私も似たような言葉で礼拝説教を始める

「素晴らしい神様を皆さんとご一緒に

礼拝できることを感謝します！」

それが、私なりの説教冒頭の言葉

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これは挨拶代わりであっても挨拶ではない

「おはよう」と大きな差がないようで大違い

「おはよう」は人間同士の常識的な挨拶

これは、礼拝共同体としての意識の共有だ

実は、これ、某大御所牧師のパクリ

師は笑顔で明るい声で同様の言葉を発する

説教者自身が喜びに満ちた礼拝者なのだ

一会衆であった私は「これだ！」と思った

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その理由の一つは「礼拝」の明示

礼拝は神と神の民との人格的交わり

その交わりの中で神から民への語り掛けがある

会衆は礼拝者であって説教視聴者ではない

ともすれば、説教が礼拝のすべてになりがち

説教は礼拝の一部であり、説教以外も礼拝

聖書朗読、賛美、祈り、献金を含めたすべてを

礼拝として、喜びをもってささげて欲しい

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「おはようございます」の代わりが

「皆さんとご一緒に礼拝」となる

礼拝は神と神の民との交わり、個人ではない

これは神の民、礼拝共同体意識の共有

説教者も礼拝者、神の民の一員との宣言

会衆は説教者も一礼拝者と認識する

これは健全な説教者観を会衆に植え付ける

牧師の神格化など、非聖書的な思いを予防

また、説教者自身にとっても有益かもしれない

説教者は自分が一礼拝者であることを忘れがち

説教しながら、真実な礼拝を失う落とし穴も

牧師は、説教者である前に礼拝者であるのだから

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牧師であり説教者である皆様は、あるいは

皆さんの集う教会の牧師は礼拝説教冒頭で

「おはようございます」と言うだろうか？

もし、言わないなら、多分、それは意図的

寛容かつ賢明な読者の皆様におかれましては、

あえて言わないその理由をご理解いただき

豊かな礼拝と説教、健全な教会形成のために

牧師、信徒が共に労していただければ感謝

説教冒頭の「おはよう」に是非はないと思う

説教観、礼拝観に立ち、総合的に判断

結論を出すことでなく、考察のプロセス

それを大切にと願ってのシリーズでした。

３回にわたるシリーズをお読みいただき、

ありがとうございました。