牧師、牧師夫人、牧師交代

牧師、牧師夫人、牧師交代

「牧師の生涯予想図としての『逆説の十か条』」

  以前、ある教会でのこと。日曜日の午後の伝道集会では、メッセージ前に「逆説の十か条」が、紹介されました。これは、ケント・М・キースという方が、ハーバード大在学中であった19歳(ホンマでっか?!)の時に記したもので、原題は“The Paradoxical Commandments”。以前、マザー・テレサを通じて、有名になったそうですが、私は今回初めて知りました。
 
 これが、スクリーンに映しだされ、朗読されたのですが、心に響きすぎて、泣きそうになりました。自分の伝道者生涯を振り返りながら、これまでの歩みに意味があることを確認し、言いようもない慰めと神様への感謝が心に湧き上がりました。本気で御言葉に従い、神と隣人を愛し仕えようとすれば、この十か条が描く歩みは、必然でしょう。
 
 ドリカムの代表曲に「未来予想図」というのが、ありますが、これは、牧師にとっての「生涯予想図」と言えるでしょう。奉仕先で多くの牧師たちの本音や正直な葛藤、迷いをお聞きします。そこには「自らの歩みに意味が実感できない故の苦しみ」が含まれていることも。
 
 とりわけ、そうした牧師の皆様に、お届けします。「牧師の生涯予想図としての『逆説の十か条』」として。
 
1. 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。
  それでもなお、人を愛しなさい。
 
2.何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
  それでもなお、良いことをしなさい。
 
3.成功すれば、うその友達と本物の敵を得ることになる。
  それでもなお、成功しなさい。
 
4.今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
  それでもなお、良いことをしなさい。
 
5.正直で素直なあり方はあなたを無防備にするだろう。
  それでもなお、正直で素直なあなたでいなさい。
 
6.最大の考えをもった最も大きな男女は、最小の心をもった最も小さな男女によって打ち落とされるかもしれない。
  それでもなお、大きな考えをもちなさい。
 
7.人は弱者をひいきにはするが、勝者の後にしかついていかない。
  それでもなお、弱者のために戦いなさい。
 
8.何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。
  それでもなお、築きあげなさい。
 
9.人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。
  それでもなお、人を助けなさい。
 
10.世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
  それでもなお、世界のために最善をつくしなさい。
 
 補足:原文は英語ですが、十か条のすべてが“anyway”で終わります。牧師の生涯は、イエス様がそうであったように“anyway”の歩み。英語で読むとさらに心に届くかもしれません。