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教会形成、教会教育

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「発展につながる伝統継承、衰退をもたらす前例踏襲」

〈某企業重役さんの言葉〉
　昨日に続いて、前例踏襲のお話し。先日、ある教会での礼拝奉仕の後のこと。教会の牧師からご紹介いただいたのは求道者である某有名企業の重役さん。教会内で、昼食をいただきながら、その求道者男性と牧師と私の三名でお交わり。
謙遜に、静かに、しかし、確信を持って語る重役さん
そのビジネス論には多くを教えられました。
いくつか、教えられた言葉をご紹介
「企業にとって、現状維持は、衰退を意味します」
「親から継いだ中小企業を倒産させる世襲経営者の９割は真面目タイプです」
「真面目さゆえに、親と同じことをして、改革しないので、倒産に至ります」
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〈キリスト教会も同様では？〉
そのまま、牧師研修会でお話しして欲しいと思いました。
もちろん、ある本質においては、教会形成と企業活動は異なります。
競争原理や市場原理を当てはめるべきではないでしょう。
しかし、これらの言葉は、キリスト教会に当てはまっていないでしょうか。
世襲の中小企業と同様の現象が起こっていないでしょうか。
教会を現状維持状態にしようとして衰退させていないでしょうか。
教会でも、神学校でも、優等生で、真面目タイプの牧師が苦戦していないでしょうか
教会でのやんちゃ者や神学校での劣等生が、実を結ぶケースも少なくないのでは？
前任牧師やそれ以前と同じことを継続しながら、教会を衰退させていないでしょうか？
実を結び続けている教会や団体は、適切な改革を断行してきたのではないでしょうか？
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〈似て非なる伝統継承と前例踏襲〉
　伝統継承と前例踏襲とは、似て非なるものです。前者は、世代を超えてきた信頼できる理念や文化や価値観、精神性などです。それは福音が具現化、言語化されたものであり、世代を超えてきたのですが、必ずしも同じ外的な現われを継続してきたわけではありません。むしろ、伝統を継承するために、外的現われを改革します。それは「伝統を作ること」でもあります。
　それに対して、後者は、過去の実績や外的現象と事例を尊重し、同じ行為や判断をすることです。それは必ずしも悪ではありませんが、場合によっては衰退をもたらします。前例踏襲は、人に安心を与えます。必要な変革を考える労から逃げられます。変革に際しての他者からの非難を受けることも避けられます。
　時には必要な改革が肉的努力、「不信仰」とされ、前例踏襲に伴う怠惰が、「信仰」という名目によって合理化正当化され、なおかつ牧師によって、権威を帯びることさえあるようです。そうなれば、前例は伝統化してしまいます。
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〈両者の混同による衰退〉
　そうしたことによって、教会は平和を保ちながら、中心年齢層が平行移動するように少子高齢化し、衰退に向かいます。もしかすると、教会は前例踏襲主義がもたらす安心と平和と安逸と差し替えにして、次世代を失ってきたのかもしれません。
　伝統継承と前例踏襲を混同することで、前例踏襲は正当化され、信仰的で御心とされてしまうことも。その結果、継承すべき伝統は失われ、外的形式や行為のみが継承されます。要は、伝統継承と前例踏襲を履き違えて歩んでいるわけです。
　次世代は、「形」を見るだけで「実質」に触れませんから、「実質」の持つ価値も魅力も理解困難、経験困難となります。各団体や教会の伝統の根底にある「福音」や「キリストご自身」という「実質」に次世代を触れさせ、教会を発展させるためには、「伝統の継承」は必須であり、そのためにこそ、「必要な改革」を避けるべき、先送りすべきではないでしょう。
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〈まとめとアピール〉
「企業にとって、現状維持は、衰退を意味します」
「親から継いだ中小企業を倒産させる世襲経営者の９割は真面目タイプです」
「真面目さゆえに、親と同じことをして、改革しないので、倒産に至ります」
これらの言葉に教えられ、今日のタイトルを付けました。
「発展につながる伝統継承、衰退をもたらす前例踏襲」
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多くの教会が少子高齢化し、存続さえ危ぶまれる現状があります。
その状況に至った原因の一つはここに記したことにあるのでは？
それは「伝統継承と前例踏襲の履き違え」、「両者の混同」
そして、それに由来する「必要な改革の無自覚と先送り」
今からでも遅くありません。
間に合うかもしれません。
該当するなら自覚を持ちましょう。
為すべき改革をしましょう。
先送りしたくなる悪魔の誘惑を退けて
肉に由来する抵抗勢力に負けることなく
求道者である某企業の重役さんの言葉から、
大切な真理を教えていただいた気がしています。