教会形成、教会教育

教会形成、教会教育

「即効性の誘惑と罠(上)牧師たちを襲うもの」

 
〈優れた考察を紹介〉
まずは、こちらの文章をお読みください。
「多くの賢明で経験豊かな牧師が以前から語っているように、ほとんどの牧師は5年間で達成できることを過大評価し、20年間で達成できることを過小評価しているのです。できるだけ早く良い変化をもたらそうとするあまり、視野が狭くなり、1年先、2年先しか見えなくなってしまいがちです。…教会を成熟した弟子たちとなるように導くことは、簡単な旅ではありませんし、きっとすぐにできることではありません。その過程では、大きな成功もあれば、大きな失敗もあるでしょう。兄弟姉妹の勝利を共に喜び、敗北を共に涙する時もあるでしょう。道は長く、険しい。しかし、牧師にとって、この道こそ、私たちがケアを託された人々と共に歩むようにと召された道なのです。」(フィリップ・クラウスjr)
〈私なりの応答〉
これは、以前に敬愛する某牧師がFBで引用した文章。
指摘するのは、5年で達成可能なことの過大評価
それに対しての20年で達成できることの過小評価
 
牧師たちを襲う「早く結果を出そうとする即効性の誘惑」
短期結実願望の実現に向かうなら、そこにあるのは
結果としての視野狭窄と牧師本来の歩みからの逸脱
 
結局、信徒は成熟せず、教会が建て上がらない非効率
即効性に飛びついた結果は、皮肉にも「非効率」
短期結実願望が強いのは現代人の一般的傾向
 
即効性の誘惑から、教えの風に吹かれることも
牧師などのリーダーが誘惑に負けると被害は甚大
信徒まで牧師と共に振り回される悲劇もしばしば
 
しかし、短期間で目に見える結実がなければ、
信徒の心に起こるのは、牧師への不信感
教会全体に広がるのは、失望感と徒労感
真面目信徒の息切れ、忠実な信徒の流出
教会形成には、マイナスばかり
 
まさに、これこそ、「即効性の罠」
即効性の誘惑に負けて、その罠に嵌まること
それは、この40年近く、見聞きし、経験してきたこと
 
問題は、失敗自体ではない、
本当の問題は失敗を失敗と評価できないこと
あるいは、失敗を失敗と認めようとしないこと
いつまでも失敗に学ぼうとしないこと
今も、同じ過ちを繰り返している自覚がないこと
〈まとめと格言〉
新たな信仰理解や方法論、ブーム自体は否定しない
しかし、即効性の誘惑からのコミットはもうやめよう。
最後に、「教会形成の格言」を三つ程。
「ローマは一日して成らず
教会は、短期間にして成らず」
 
「桃栗3年、柿8年、教会形成20年」
 
「教えの風は止み、ブームの火は消える
 しかし、私たちの神のことばは、永遠に立つ。」