信仰継承、宗教二世問題
信仰継承、宗教二世問題
- 「子どもを愛し忍耐し育てる教会へと導いた牧師の言葉」
- 「子どもの身にもなってみよう~騒ぐ子どもを注意する前に」
- 「妄想福音書と妄想パウロ書簡 ~子どもを叱らず、祝福の邪魔をせず、イエスを憤らせず、子どもに倣う」
- 「子は、礼拝する親の背中を見て育つ」
- 「信仰継承、何ではなくて、何なのか?」
- 「信仰継承の再検討①~親からの相続か?本人の出会いか?」
- 「信仰継承の再検討② ~自らを経由せず、邪魔せず、モデルに」
- 「信仰継承の再検討③~焦り、怖れ、義務感?動機の自問」
- 「信仰継承の再検討④ ~親のお手柄?子どものお手柄?」
- 「無関心なのに、囲い込み?~凧上げと伝書鳩のたとえ」
- 「『無関心なのに囲い込みはする』からの悔い改め」
- 「発明としての新語『宗教2世』①」
- 「発明としての新語『宗教2世』②」
- 「発明としての新語『宗教2世』③」
- 「発明としての新語『宗教2世』④」
- 「信仰継承に活かす『宗教2世問題』①~過去に目を閉ざさず」
- 「信仰継承に活かす『宗教2世問題』②~人権尊重と信仰継承」
- 「信仰継承に活かす『宗教2世問題』③~ありがちな二極化」
- 「信仰継承に活かす『宗教2世問題』④~愛と自由と責任」
- 「信仰継承に活かす『宗教2世問題』⑤~正解の押し付けでなく」」
「子どもを愛し忍耐し育てる教会へと導いた牧師の言葉」
先日、ある牧師から聞いたお話し。子育て中のカップルが多い教会。礼拝中も、赤ちゃんは泣き、幼い子どもが騒ぐことも。開拓期の15年前に、子どもについて、牧師が会衆に語り続けた言葉は、信仰と希望に満ちたもの。
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「この子の泣き声は、やがて賛美の声に代わり、後に奏楽者になっていくのです。」
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この信仰と希望を共有した会衆もご立派。それから15年後、その子は、文字通り、立派な奏楽奉仕者に。若くして、礼拝賛美を支えているとのこと。歌いやすくかつ洗練されたアレンジもできる優れた奉仕者なのだとか。これが前例となり、いよいよ、大人が子どもを育てる教会に。
大人の都合で、子どもばかりに忍耐を強いて、結果的に次世代を失っていく教会は、少なくないでしょう。本来は、大人こそが成熟し、自己充足的な信仰のありようを卒業すべきなのでしょうに。大人たちに、次世代のために忍耐し、愛をもって育てることを呼びかけ続けた牧師とそれを共有してきた大人たちの実践には感動しました。
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「この子の泣き声は、やがて賛美の声に代わり、後に奏楽者になっていくのです。」
これが唯一の正解ではないでしょうが、結実をもたらした一つの事例として、受け止めたいものです。