水谷潔の新しき地に踏み出だす

　昨日の（１）の投稿に対しては、優れたコメントの数々をいただきました。特にシリーズで扱う予定ではない「赦し」をどう考えるかについて、聖書的な考察や見解が。これは、必読です。

　さて、本題です。今回の課題は大きく二つ。一つは新使徒の支援、もう一つは経歴詐称。今回と次回は、後者について記します。今回の場合は「フラー卒」と「神学博士」が虚偽にあたり、経歴詐称に。大切なことは、こうした経歴詐称が、「一事」ではなく「万事の中の一事」であること。「愛する会」はそのことを指摘しています。詐称があること自体はもちろん問題ですが、それが、これまで、問題視されずにきたことは、さらなる問題と言えるでしょう。

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〈T先生からのコメント〉

　一昨日の投稿には、「一般人には理解困難な学位」について、敬愛するT先生から有益なコメントをいただきました。それを私なりに、強引に単純化して、お伝えします。

　一般的に、神学博士は、博士論文を提出して得られる「学位」。一方、名誉神学博士は何らかの功績に対して与えられる「称号」。いわば「表彰状」のようなもの（英国など一部例外はあり）。大学の教員募集要項に「博士号を要する」とあった場合、名誉博士では、認められません。

　また、名誉博士も考え物で、たとえば、ディプロマミルの大学から授与された場合は、信頼を低下させかねないのこと。「ディプロマミル」とは、学位ビジネスのことで、実際の学びがなくても、金銭で学位を授与する大学などのことです。

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〈表彰と資格は別！〉

　ですから、名誉博士号を授与された牧師が、「自分は神学博士」だとするのは、全くの虚偽に。その大学での在学、履修、博士論文提出の何一つないのですから。当たり前のことですが、表彰状は資格証書ではありません。

　言うなれば、人命救助をして警察から表彰された人物が、「自分は警察官」だと言っているようなものです。その人物は警察学校を出ていないし、警察官の資格も持っていません。地域の消防団で活躍し、表彰されても、その団員は「消防士」ではありません。

　福音派や聖霊派の教会では、こうしたことはあまり知られていません。また、キリスト教の世界にデイプロミマルがあることも知られていないでしょう。ですから、事例としては一部の牧師でしょうが、問題視されずにきてしまいました。「表彰状」が「資格証書」として通用してきたのです。

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〈これを機として今後〉

　そこで、提案です。今回の件を機に、悪い慣習を断ち切りましょう。「自称神学博士」「自称海外神学校卒」の該当者の方は、所属団体や教会員にその事実を伝え、悔い改めを表明されてはどうでしょう？団体の責任者は、所属する教職者に、チェックをする必要が生ずるかもしれません。教会役員も、牧師にその可能性が強いようなら、愛と勇気を持って確認されることかと。

　今後、悪意ある人物が、牧師の経歴や肩書を調べて、「自称神学博士」「自称、神学校卒業」であることを暴露し、拡散、批判する可能性も。もし、隠していた事実が明らかになれば、多くの方の信仰の躓きになりかねません。その意味でもよい機会かと思うのです。それは、神様が喜ばれる歩み、長い目で見れば信徒の信頼を得る選択、そして、何よりご自身にとって幸いなことだと思うのです。